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（07） 遠稜
	北海道遠征は初めてではなかったが、 この遠征はちょっと気分が違っていた。 この遠征前に航空月刊誌にて 空港をテーマにした連載が決まっていたのである。 少しばかりの満足感と、 「連載なんてできるんだろうか？」という不安感で、 心持ち、テンションが上がっていた。 不安とは言っても ストレスになるようなネガティブなものではなく、 むしろ「気合を入れて撮ろう」という 張り合いに繋がるようなポジティブなものだったが、 「連載」という未経験の取立てには、 やはり「うまく撮れなかったらどうしよう、、、」という 些かの自信の無さをごまかすことはできなかった。 ８月１日から撮影開始。 札幌にはこの月曜日から金曜日まで５日間滞在したが、 天候は目まぐるしく変わり、 ３日目には天候不良で欠航便が相次いだ。 梅雨の無い北海道でも大きく天気が崩れることがある。 俗に言う蝦夷梅雨である。 初日に僅かばかりの夕陽を拝むことができたが、 晴天の夕景を望めないまま最終日を迎えた。 この写真は その札幌丘珠飛行場の最終日の最後のカットである。 曇り空も昼過ぎから晴れ始め、 夕方にはようやく綺麗な夕焼けを拝むことができた。 そしてその後、 「札幌丘珠飛行場の夕景」に着陸してくる最終便を 点景として撮り込んでみた。 辺りは一面のたまねぎ畑、 奥に見えるは手稲山である。 最終日の最終便を撮り終え、 「連載初回は何とかなりそうだ」という実感が 何となく湧いてきた。　 原稿の下刷りを送って頂いて、 この写真が 記事のトビラ全面に使われていることに驚いた。 私にしてみればまさかであった。 トビラも然ることながら全体の構成も、 私の想像以上に見栄えのするものになっていた。 撮影とは全く違う「編集」というマジックには、 改めて感嘆せざるを得なかった。 連載はこの後、新千歳/奥尻/函館と続き、 その後は南は鹿児島まで脚を延ばし 一人旅の想い出の軌跡として続いていった。 自分の撮った写真がどう編集されるのか 毎月の楽しみであったが、 その後、自身の撮影スタイルの変革期に入り 連載はお休みになる。 このスタイルが安定してきて また連載を抱えても苦にならないペースに戻った頃から再開したが、 今度は取り巻きがストレスになり集中の妨げになり始め、 敢え無く中断となる。 振り返ってみれば この連載期間中が私の写真人生のピークだったようで、 その後、間もなく持病の精神疾患の変調期に突入し、 思ったように活動できない期間が長く続く。 その間、サイトの構築に専念することとなるが、 それもこの連載中に得たノウハウが大きく寄与している。 サイトを構築しながら 撮り溜めた写真を眺めては撮影当時を懐かしく思い出す。 また遠出ができるまでに復調する日を待ちわびながら 懐かしさと戯れる日々を送っている。 --- End of Text ---
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<<< Genicalights について >>> 写真は光と影の芸術です。 光によって色が表現され、影によって被写体や景色の輪郭が表現されます。 この明と暗の微妙なさじ加減によって、同じ被写体でも景色でも、様々な趣の｢絵(Picture)」が表現できる芸術です。 当コンテンツは、この「光と影」で表現する手法をモチーフにした写真を中心に構成されています。 その他にも、様々な色や季節感、天候や時間などといった写真の本来の使命である「記録」の要素も表現できる写真も盛り込んで、 コンテンツ全体のモチーフとして「飛行機のある風景」を表現しています。 コンテンツ名の は、「Photogenic」の「genic」と光(light)を合成 した造語です。 「光と影を女性モデルを撮るような美しさで表現する」、無理に訳せばこんなところでしょうか？ 美しい女性を前にして胸がときめくように、風景写真にもそんなときめきを求めています。 中には男性的な作品もありますが、「美の追求」を という一語に掛けました。 「写真で表現できる限りない美の追求」、どうぞごゆっくりご覧ください。